調査見学会レポート
平成25年度
マツダミュージアム 見学
場所 |
広島市安芸郡府中町新地3-1 |
見学日 |
平成25年9月3日(火) |
参加者 |
27名 |
【概要】
この博物館はマツダ構内に設置され,宇品第一工場に隣接している。1931年に東洋工業の社名で最初に製造したオート三輪『マツダ号』から歴代の製造車種,コンセプトカーや1991年のル・マン24時間レースで優勝した787Bなど,多くのマツダ車が展示され,歴代のロータリーエンジンなどが展示されている。車の開発・設計工程が解るように展示物が工夫されており,クレイモデルやプラスチック試作品,車体の板金加工品,組み立て途中のパーツなど,案内係員の方の説明と併せて見学することができた。さらに,隣接工場の生産ラインに案内して頂き,実際の組立作業の様子を見学できた。
車の製造工程を理解できたばかりでなく,物作りの素晴らしさを学生は実感できたようである。学生は,展示物の説明方法やレイアウト・見せ方は非常に参考になったようで,また生産ラインでは,ムダを排した合理的な物作りを目の当たりにし感銘を受けたようである。
中国電力 太田川発電所,南原発電所 見学
場所 |
広島市安佐南区,広島市安佐北区可部町大字南原 |
見学日 |
平成25年9月3日(火) |
参加者 |
27名 |
【概要】
太田川発電所は,広島県の西部を流域とする一級河川・太田川水系の最下流の水路式発電所である。発電開始は昭和36年11月(1961)で,すぐ上流の間野平発電所(24,500 kW)で発電に使った水を導水路で導き,出力 16,400 kWの発電を行っている。
今回,構内の110kV変電所,配電盤室,水車発電機などを視察させて頂いた。水車発電機は間近で回転している様子を見ることができ,学生は,教科書を読むだけでは解らない電気機器の精巧さと保守の大変さを理解できたと考える。
南原発電所(620,000 kW)は,太田川水系南原川に上池と下池の2つのダムを作り,この間の落差約300mを利用して発電する揚水式発電所で,昭和47年11月に着工し,昭和51年7月に運転を開始している。ここの発電所の特徴として,ロックフィルダムを採用している点があり,このダムの視察をさせて頂いた。ダムの構造は,中心部に水を通さない粘土質の壁を設け,これを挟んでフィルター層と大量の岩石を積み上げたもので,日本でも数少ない方式のダムであるが,土や石材が近くに豊富にあったためにこの方式が採用されたとのこと。
新出雲ウインドファーム 見学
場所 |
島根県出雲市小津町1208番地 |
見学日 |
平成25年9月2日(月) |
参加者 |
27名 |
【概要】
新出雲ウインドファームは,島根県出雲市の島根半島に設置されており,平成21年4月より運転を開始した,国内最大級の風力発電設備である。デンマークのVestas社製3,000 kWの風車が26基設置され,総出力が78,000 kW(一般家庭4万世帯分の消費電力量に相当し,出雲市の全消費量の約8割を賄える)で,発電した電力は中国電力に売却されている。
説明員の方から,風車の構造(タワーの高さ75m,ブレードの長さ44m),制御方法(風の方向へ自動的に向きを変え,風速に応じてブレードの角度を変える),メンテナンスの状況(タワー内には昇降機と階段があり,回転部分へはグリスを自動注入)などについて解りやすく説明頂いた。強風時に経験したこれまでの事象を制御・運転方法の改善に反映されているとのことで,今後一層のメンテナンス方法の向上と稼働率向上が図られる模様である。
平成24年度
住友電気工業株式会社,株式会社ジェイ・パワーシステムズ 見学
場所 |
大阪市此花区島屋1-1-3 |
見学日 |
平成24年9月3日(月) |
参加者 |
17名 |
【概要】
グローバルに事業を展開している住友電気工業株式会社の会社概要を説明頂き,工場内で実施しているマイクロスマートグリッドの実証設備を見学した。太陽を追尾する方式の集光型太陽光発電,充放電サイクルに対して極めて強いというレドックスフロー電池など,様々な独自技術開発への取組みを説明頂いた。
株式会社ジェイ・パワーシステムズは,2001年に住友電気工業と日立電線のケーブル部門が分社化されて設立した,各種電力ケーブル,架空送電線,送電線監視システムなどを事業範囲とする会社である。訪問した大阪市の工場では電力ケーブルを主力製品としており,CVケーブルの製造ラインを見学させて頂いた。超高圧CVケーブルの製造は,大阪市を展望できる高い建物の中で,上層階から地下階へ落としながら冷却して製造するという方式であり,その大きさと高さには非常に興味深いものがあった。樹脂の被覆工程などの様々な自動化ラインは,多くの工夫と技術に裏付けされていることが感じられた。
三菱電機株式会社 系統変電システム製作所,伊丹製作所,先端技術総合研究所 見学
場所 |
兵庫県尼崎市塚口本町8-1-1 |
見学日 |
平成24年9月3日(月) |
参加者 |
18名 |
【概要】
三菱電機(株)の尼崎地区には6事業所があり,その内の3事業所(系統変電システム製作所,伊丹製作所,先端技術総合研究所)を見学した。
系統変電システム製作所は,開閉機器(尼崎地区),変圧器(赤穂地区),保護制御・変電所監視制御装置(神戸・西神地区)など,電力流通分野の中核機器を製造している。尼崎地区で作る開閉機器の製品群(遮断器,避雷器,変成器,発電主回路開閉装置,診断センサなど)を紹介頂いた後,GIS(ガス絶縁開閉装置)の組立工場を見学した。この工場は,非常に大きな空調・防塵工場で,組立から試験までを一貫して実施している。
伊丹製作所は,三菱電機(株)の交通事業の中核製作所であり,車両に搭載する電動機や空調装置,車両の各種制御装置,各種表示装置,運行管理システム,交通変電システムなどを製造している。これらの内,電車内や駅構内などで最近増えてきた画像情報提供システム(トレインビジョン)などの製品を見学し,VVVFインバータ制御装置の組立・試験工場を見学した。
先端技術総合研究所は,三菱電機(株)の全分野を対象とした研究開発を行っている。ショールームにて,最近の色々な分野での研究開発を説明頂き,企業で実際に行っている研究開発事例に触れることができた。
関西電力 南港発電所 見学
場所 |
大阪市住之江区南港南7-3-8 |
見学日 |
平成24年9月2日(日) |
参加者 |
18名 |
【概要】
南港発電所は,大阪市の都心に位置し,LNG(液化天然ガス)を燃料とする最新鋭の火力発電所(1号機:平成2年運転開始,2号機・3号機:平成3年運転開始)で,総出力は180万kW(60万kW×3基),大阪市域の約30%の電力を供給できる発電所である。環境保全対策に配慮して,燃焼により空気中の窒素分から発生するNOxを低減させるため,燃焼法を改善するとともに,発生したNOxを除去するための排煙脱硝装置を設置している。また,敷地周辺には樹林帯をつくり敷地面積の約35%を緑化し,煙突は南港スカイタワーと称して,大阪湾玄関口のシンボルタワーとして夜間の季節感を持たせたライトアップを実施しており,そのエネルギーは太陽光発電システムで賄っている。
地域市民に親しまれる発電所をめざし,遊歩道やスポーツ施設(テニスコート,野球場,など)を一般開放し,エル・シティ・ナンコウというPR施設も設けられている。このエル・シティ・ナンコウには,電気・光・熱などを応用した様々な体験展示物があり,子供ばかりでなく大人も楽しめ,科学技術に興味が広がる施設になっている。
平成23年度
九州電力 新大分発電所 見学
場所 |
大分県大分市大字青崎4番地1 |
見学日 |
平成23年9月29日(木) |
参加者 |
23名 |
【概要】
新大分発電所は,大分駅の東約12kmに位置し,LNG(液化天然ガス)を燃料とする火力発電所で,総出力は229万5,000kWと九州電力では最大規模の火力発電所である。発電設備は,コンバインドサイクル発電方式(複合発電方式)を採用しており,燃料を燃焼させて高温ガスにしてガスタービンを回すとともに,その排ガスの熱から排熱回収ボイラーで発生させた高温・高圧の蒸気により,蒸気タービンも回して発電しており,高い熱効率が特徴である。
1号系列(1,100℃級ガスタービンを採用),2号系列(1,300℃級ガスタービンを採用),3号系列(再熱3重圧方式の蒸気サイクルを採用)と新しくなるごとに新技術を採用しきており,熱効率の向上・エネルギーの有効活用にこれまで積極的に取り組んでこられたことが伺えた。このLNGを燃料とする新大分発電所は,電力の長期安定供給と石油依存度の低減に,今後とも大きな役割を担うと考えられる。また,発電所の環境調和にも力を入れておられることが印象的であった。施設の色を3色にコーディネイトして周辺の景観と調和を保っており,構内には樹木を約6万本植えて,一部は緑地公園として地元の方にも一般開放されている。
JX日鉱日石エネルギー 大分製油所 見学
場所 |
大分県大分市大字一の洲1番地1 |
見学日 |
平成23年9月29日(木) |
参加者 |
23名 |
【概要】
JX日鉱日石エネルギー大分製油所は,1964年に九州で唯一の製油所として操業開始し,2008年の九州石油の新日本石油への統合にともない,新日本石油精製に統合された製油所である。平成11年には,石油業界として最初に卸供給電力事業の営業運転を開始して,現在は,「石油精製」「石油化学」「卸供給電力」の3つの事業を柱に,九州エリアの多様なエネルギー需要をカバーしている。発電設備は,ボイラー,蒸気タービン発電機と排ガス処理設備等からなり,その発電能力は14万9,400kWで,大分市の約4万世帯分の電力を賄っている。
最新の排煙処理装置導入と煙突の高層化などによる大気環境保全対策,排水を極力少なくして各種フィルターを通すことによる水質汚濁対策,各種防災設備や化学消防車などの配備,災害発生時の迅速な対応と災害拡大防止に向けた日常訓練注力など,環境保全と防災対策に注力・強化されていることに感銘した。また,発電設備の燃料には,利用価値の低かった重質油(アスファルト)を使用しており,限られた資源を最大限に有効活用している点が印象的であった。
九州電力 八丁原・大岳発電所 見学
場所 |
大分県玖珠郡九重町大字湯坪字八丁原601番 |
見学日 |
平成23年9月28日(水) |
参加者 |
23名 |
【概要】
八丁原発電所は,東と南を阿蘇九重国立公園の九重連山,西側を耶馬日田英彦山国定公園の山々に囲まれた,高原と温泉の町に位置し,出力11万kWと約20万世帯の需要を賄う能力を持つ日本最大の地熱発電所である。深さ760m〜3000mの井戸の蒸気で発電して,発電に利用後の熱水は還元井で地下に戻し,一部は重金属を濾過する装置を通した上で,近隣の温泉街に供給されている。八丁原発電所は無人で,運転や計器の監視は,約2km離れた大岳発電所から行われている。また,出力2,000kWの地熱バイナリー発電施設(沸点が低いペンタンを媒体として利用し,比較的温度の低い蒸気や熱水を利用して発電)が,2006年4月より2年間の試験運転を経て営業運転をしている。
地熱エネルギーは,国内で約3000万kWの賦存量があると言われているが,その利用率は非常に少ないのが現状である。これは,候補地のほとんどが国立公園内にあるため開発規制が厳しいことや,温泉街に近いため周囲の温泉への影響を検討する必要があることなどが関係していると考えられる。この八丁原発電所では,建設当初は地元からの懸念も表明されていたが,運転後は発電所が迷惑をかけるような事案や苦情は発生していないとのことで,この八丁原発電所での運転実績が,今後の地熱発電所の導入拡大につながることが期待される。
平成22年度
三菱電機株式会社 半導体・デバイス事業本部パワーデバイス製作所 見学
場所 |
福岡市西区今宿東1-1-1 |
見学日 |
平成22年9月21日(火) |
参加者 |
戸田客員教授,他22名 |
【概要】
三菱電機株式会社パワーデバイス製作所(福岡工場)は,昭和19年に設立され,ギヤーモールド,ポンプ,電機ホイスト等産業機器製品の生産を行い,現在は,パワーモジュールなど多種多様な製品を生産している。パワーデバイスは,家電から一般産業,電気自動車,電鉄等電力を使う各種装置やシステムのキーデバイスとして多くの分野で使用されている。従来,素子としてシリコンを使っていたが,SiCを使った素子に置き換えられている。今回は,三菱電機株式会社全体の概要を説明していただいた後,パワーモジュールの製作・試験の一貫ラインを見学させて戴いた。こういった技術は,将来電力システムを扱う技術者にとっても十分把握しておく必要のある技術でもある。見学後の会議では,同行した学生からの活発な質疑応答があった。
富士電機システムズ株式会社 熊本工場 見学
場所 |
熊本県玉名郡南関町肥猪4003-180 |
見学日 |
平成22年9月21日(火) |
参加者 |
戸田客員教授,他22名 |
【概要】
富士電機システムズ熊本工場は,2006年操業を開始し,アモルファス太陽電池を主力製品として量産する工場として位置付けされている。従業員は正規,非正規併せて110名で構成されている。工場では,フィルム型アモルファス太陽電池を製作しており軽量でフレキシブルな特性を有することを特徴としておりデザインにこだわる建物や様々な製品にも適用が可能である。現在は,主にヨーロッパに輸出されているとのことであった。素子は,a-Si/A-SiGeタンデム構造で穴を通して表と裏が一体化した直列接続構造を採用し,変換効率は現在8%程度で近い将来15%程度までを狙っているとのことであった。COP(地球温暖化対策に関する国際会議)での気候変動に関する議論が高まる中で10数年前から世界的に地球環境を守る動きがあるが,当面の技術課題は変換効率の向上と画期的にコスト低減が可能な新材料の開発で早急な対応が望まれている。そして,将来のスマートグリッドにおいて重要な役割を果たすエネルギーとなることが期待されている。
サントリー株式会社 九州熊本工場 見学
場所 |
熊本県上益城郡嘉島町大字北甘木字八幡水478 |
見学日 |
平成22年9月20日(月) |
参加者 |
戸田客員教授,他22名 |
【概要】
サントリーは,日本に4つの場所に工場を有しており,そのうち熊本工場ではザ・プレミアム・モルツ,サントリーウーロン茶,サントリー天然水<阿蘇>等を製造している。阿蘇の大地に育まれた水を豊富に得ることができるのが大きな特徴になっている。工場では,麦から麦芽を作る製麦工程,砕いた麦芽に天然水を加えて麦汁を作る仕込工程,麦汁から酵母を加えて低温で発酵させ若ビールにする発酵工程,若ビールを熟成させる貯酒工程,熟成されたビールから酵母を取り除くろ過工程,そして最後に容器に納める缶・樽詰工程を見学した。良質の素材(天然水,麦,ホップ)に加え一つ一つの細かい知恵が凝縮されているようにも感じた。容器の包装などは,エコクリア包装され環境に対する配慮もなされていた。また,工場の中には,できたてのビールや清涼飲料を試飲することができる。見学終了後,近くの宿で学生らと楽しく語り合うこともできた。
トヨタ自動車九州株式会社 宮田工場 見学
場所 |
福岡県宮若市上有木1番地 |
見学日 |
平成22年9月20日(月) |
参加者 |
戸田客員教授,他22名 |
【概要】
トヨタ自動車九州株式会社 宮田工場は,高級車レクサスを生産する主力工場である。約6000名の従業員が昼夜2交代で勤務しており,1日当たり872台の車を出荷している。最初にPR館で展示物の閲覧とビデオによるトヨタの概要説明を受けた。その後,レクサスの製造・組立工程を見学した。世界のトップを走る自動車工場を目の当たりにすることができた。主に組立工程を見学したが,トヨタ生産方式の特徴であるJUST IN TIME,カンバン方式,異常時対応用のアンドンによる表示システム,毎日の改善活動などいたる所にその思想が貫かれていることが伺えた。一般の参加者にもじっくりと見学させることができるのは,確固たる自信と更なる改善構想がすでに準備されているものと推察される。
平成21年度
九州電力株式会社 川内原子力発電所 見学
場所 |
鹿児島県薩摩川内市久見崎町字片平山1765番地の3 |
見学日 |
平成21年9月14日(月) |
参加者 |
戸田客員教授,原田助教,他35名(うち学生30名) |
【概要】
川内原子力発電所は,川内川河口に近い海岸部に位置し玄海原子力発電所に次ぐ九州で2番目の原子力発電所である。約145万m2の風光明媚な敷地内に軽水減速・軽水冷却加圧水型(PWR)原子炉が2基設置されており,総電気出力は178万kWに達している。そして,この電力量は,家庭に換算すると約60万世帯分の電力を賄っていることになるとともに九州全域の12〜13%を供給していることになる。
今回の見学会では,映写での全体説明を受けた後,実機と同規模の原子炉展示ルームで説明を受けた。日ごろ大学内で学んでいた原子力発電の仕組みを実機やモデル機を通して説明を受け,理解が一段と深まった。また,安全対策や環境安全対策や周囲との調和について細心の注意が払われていることに感心させられた。
平成31年運転を目指している3号機の増設計画の概要についても説明を受けた。社会インフラの基盤である電気事業の在り方について考えさせられる1日となった。
長島風力発電所 見学
場所 |
鹿児島県出水郡長島町 |
見学日 |
平成21年9月13日(日) |
参加者 |
戸田客員教授,原田助教,他35名(うち学生30名) |
【概要】
地球温暖化をはじめとする環境問題への対応が急がれている中,温室効果ガスを排出しないクリーンエネルギーとして,また枯渇する心配のない自然エネルギーとして風力発電は注目されている。そのような中,風光明媚な長島町に風力発電所が建設され平成20年10月より操業が開始された。1基あたり2400kWという国内最大級の大型風力発電機が21基設置され,総出力50400kWという九州最大の風力発電所である。風車は水平軸プロペラ式可変型風車が採用され,3枚の翼で風力エネルギーを回転エネルギーに変換し増速機を介して発電機へと伝達される方式で,風車の翼長は44.7m,それを支持しているタワーは70mに及ぶ巨大なものである。東西約4km,南北5kmに及ぶ大規模ウインドファームを形成しており,年間約4万トンのCO2削減に貢献しているという。このような光景を始めてみた学生も多く,環境問題への関心が更に深まった見学会となった。
平成20年度
北九州エコタウンセンター 見学
場所 |
福岡県北九州市若松区向洋町10-20 |
見学日 |
平成21年2月27日(金) |
参加者 |
池田客員教授,原田助教,他5名 |
【概要】
北九州エコタウンは1997年7月から北九州市若松区響灘地区を中心に北九州エコタウン事業としてあらゆる廃棄物を他の産業分野の原料として活用し,最終的に廃棄物をゼロにすること(ゼロ・エミッション)」を目指し,資源循環型社会の構築を図る事を目指し行われている事業である。北九州エコタウンは実証研究エリアと総合環境コンビナートに分かれており,実証研究エリアでは,企業,行政,大学の連携により,最先端の廃棄物処理技術やリサイクル技術を実証的に研究する機関を集積し,環境技術開発拠点をめざしており,総合環境コンビナートは,環境産業の事業化を展開し,各事業が相互に連携し,ゼロ・ミッション型の環境産業コンビナート化を図ることで,資源循環拠点をめざしている。ここではペットボトル・OA機器・自動車・家電・蛍光管・医療用具等がリサイクルされている。また,総合環境コンビナートに隣接してリサイクル地区があり,ここでもパチンコ台・古紙・発泡スチロール・廃木材・廃プラスチック・空き缶などがリサイクルされている。響灘東部地区では,風力発電事業も行い,1基あたり1500kWの発電する風車が10基ある。
北九州市エコタウンセンターはエコタウン事業を生きた教材として活用する環境学習拠点として,また,エコタウン事業を総合的に支援する中核的施設として,2001年6月に開設された。ここでは,エコタウン事業の取り組みや市内の環境関連企業のパネルや展示品などを見学した。
九州電力株式会社 脊振変電所 見学
場所 |
福岡県福岡市早良区大字椎原字セパ谷128-2 |
見学日 |
平成20年11月12日(火) |
参加者 |
池田客員教授,原田助教,他33名 |
【概要】
背振変電所は背振山の中腹に建設された500キロボルト変電所である。ここでは,発電所から直接送られてきた電気や他の500キロボルト変電所から送られてきた電気を別の500キロボルト変電所に送ったり,電圧を220キロボルトに下げて福岡都市圏へ電気を送っている。主な設備としてガス絶縁開閉装置を取り入れ,敷地面積が1/2に縮小された500キロボルト開閉装置,電圧を500キロボルトから220キロボルトに下げる変圧器があり,監視制御室で九州全体の表示・記録をしながら,24時間監視している。現在,500キロボルト主要変圧器,500キロボルト,220キロボルトガス絶縁開閉装置を新設する増強工事が行われている。また,変圧器は分解輸送形変圧器を採用しており,現地での組み立て作業などを見学した。
九州電力株式会社 相浦発電所 見学
場所 |
長崎県佐世保市光町183-1 |
見学日 |
平成20年8月25日(火) |
参加者 |
原田助教,他31名 |
【概要】
相浦発電所は長崎県佐世保市にある火力発電所で1973年から運用されている九州電力の設備である。相浦発電所の燃料は重油および原油を使用し,1・2号機フル運転で4700キロリットル消費する。発電所の建設の際,敷地の一部として取り込まれた西海国立公園の九十九島の一角である中瀬戸島,弁天島の二つの島の樹木には手を入れず,自然林のままで残し自然と調和を図りながら運用されている。その他,環境保全のための対策として,排煙の中に含まれる灰,すすなどは電気集じん器によって取り除き,高さ180メートルの集合煙突から放出している。タービンを回した蒸気を冷却するために使った海水は,海に戻すとき,周りの海水の温度をあまり上げないような装置を設置している。煙突に登って発電所を見渡して説明を受け,また,タービン・発電機,中央制御室等の設備を見学した。
電源開発株式会社 松島火力発電所 見学
場所 |
長崎県西海市大瀬戸町松島内郷2704 |
見学日 |
平成20年8月25日(火) |
参加者 |
原田助教,他31名 |
【概要】
松島火力発電所は長崎県西海市松島に1977年から建設され,1981年1月から運用されている電源開発(J-POWER)の設備である。松島火力発電所は石炭火力発電所で,燃料となる石炭をほとんどをオーストラリア,中国等の海外輸入炭を使用する日本初の大規模輸入炭火力発電所である。発電所出力は100万kW(50万kW×2)であり,発電電力供給先は中国電力株式会社5割,九州電力株式会社4割,四国電力株式会社1割である。また,環境保全のために,電気集じん器・排煙脱硫装置が設置され,電気集じん機で集められた石炭灰(フライアッシュ)はセメント混和材として,また排煙脱硫装置で副生した石こうは,建築材として有効利用されている。タービン・発電機や中央制御室等の設備を見学した。
九州電力株式会社 松島変電所 見学
場所 |
長崎県西海市大瀬戸町松島内郷 |
見学日 |
平成20年8月25日(火) |
参加者 |
原田助教,他31名 |
【概要】
松島変電所は長崎県の五島列島と九州本土を結ぶ,五島連系設備の九州本土側の設備であり,2005年6月に運用が開始された。五島連系設備の特徴として日本国内最長の電力海底ケーブルで結ばれている。この海底ケーブル布設に当っては,高精度な布設が可能なGPS活用の自動制御システムを搭載した最新鋭の専用布設船や電力海底ケーブル工事では初めてとなる水中用に改良した掘削機などを採用し,工事がおこなわれた。九州本土側の松島変電所では,220/66kVの変圧器等を見学した。
アサヒビール株式会社 博多工場 見学
場所 |
福岡県福岡市博多区竹下3-1-1 |
見学日 |
平成20年8月24日(月) |
参加者 |
原田助教,他31名 |
【概要】
アサヒビール博多工場は1921年(大正10年)4月に創業し,福岡市唯一のビール工場で,九州最古のビール工場である。アサヒビールでは環境負荷低減への取り組みを行っており,省エネルギー・省資源の推進として,太陽光発電やコ・ジェネレーションシステム等を導入している。温室効果ガスの発室抑制や副産物・廃棄物の再資源化100%を達成している。また,工場の横にはビアホールが併設され,工場直送のビールが飲めるようになっている。工場内では,ビールができる行程(ろ過室・びん詰行程・缶詰行程)や環境への取り組みを見学した。
九州電力株式会社 北九州変電所 見学
場所 |
福岡県北九州市小倉南区大字田代437番地 |
見学日 |
平成20年4月29日(火) |
参加者 |
池田客員教授,原田助教,他2名 |
【概要】
北九州変電所は小倉南区合馬の外れに位置しており1969年4月より運用が開始された。北九州変電所は豊前・東九州変電所とともに九州における電力供給の大動脈である50万ボルト送電線を結ぶ拠点変電所として電力供給の要である。特に北九州変電所は,九州と本州間で電力をやり取りする拠点として,大きな役割を担っている。北九州変電所の主な設備として電圧を50万ボルトから22万ボルトに下げ,電圧を一定に調整できる50万ボルト主要変圧器,送電線や変圧器などの電気設備の故障を検出し,故障箇所を自動的に除外する保護装置盤,50万ボルトガス絶縁開閉装置がある。また,変電所内に北九州系統給電制御所が設置されており,監視制御室で電気の流れや変電所機器の運転状況を24時間監視している。豊前・東九州変電所を監視・制御する事で無人化されている。監視制御室で制御盤および監視装置などを見学した。
平成19年度
九州電力株式会社 小丸川発電所 見学
場所 |
宮崎県児湯郡木城町大字石河内 |
見学日 |
平成20年2月5日(火) |
参加者 |
池田客員教授,原田助教,他3名 |
【概要】
九州電力株式会社の小丸川発電所は,宮崎県の木城町を流れる小丸川の支流大瀬内谷川の最上流部に上部ダムを築造して上部調整池とし,小丸川中流部に下部ダムを築造して下部調整池とし,この間の有効落差約646mを約2.8kmの水路で連結し,毎秒222m3の水を使い,地下に設けた発電機で最大出力120万kWの発電を行う純揚水発電所である。建設中の地下発電所空洞で,発電機の設置等の見学を行った。
九州電力株式会社 玄海原子力発電所・玄海エネルギーパーク 見学
場所 |
佐賀県東松浦郡玄海町今村 |
見学日 |
平成19年10月27日(土) |
参加者 |
池田客員教授,原田助教,他電気工学科3年生を中心に54名 |
【概要】
九州電力株式会社の玄海原子力発電所は,1975年10月に出力55万9千kWの1号機が運転開始し,同出力の2号機が1981年3月に運転開始,342万3千kWの3号機が1994年3月に運転開始,同出力の4号機が1997年7月より運転が開始されている。玄海エネルギーパーク内のサイエンス館,続いて原子力訓練センターの見学を行った。
熊本市東部環境工場 見学
場所 |
熊本県熊本市戸島町2570 |
見学日 |
平成19年9月25日(火) |
参加者 |
池田客員教授,原田助教,他27名 |
【概要】
東部環境工場は,熊本市の東部地区を賄うごみ焼却施設である。燃焼設備は600t/日である。この東部環境工場では,発電した電力によって施設内で使用する電力を賄った上で,余った電力は近隣の熊本市の施設で利用する他,電力会社に売電している。また,お湯を施設内や同一敷地内の三山荘で利用している。これらの設備見学を行った。
九州電力株式会社 熊本変電所 見学
場所 |
熊本県菊池郡大津町 |
見学日 |
平成19年9月25日(火) |
参加者 |
池田客員教授,原田助教,他27名 |
【概要】
熊本変電所は,50万ボルト送電線により電源地帯から送られてくる高電圧・大量の電力を効率よく供給するための拠点として設置され,九州北部と南部をつなぐ電力供給のかなめとして大きな役割を果たしている。熊本変電所の概要および特徴の説明を受け,50万ボルト全ガス絶縁開閉装置等の見学を行った。
サントリー株式会社 九州熊本工場 見学
場所 |
熊本県上益城郡嘉島町大字北甘木字八幡水478 |
見学日 |
平成19年9月24日(月) |
参加者 |
池田客員教授,原田助教,他27名 |
【概要】
九州熊本工場は阿蘇の大地に磨かれた良質な水が豊富にある熊本に平成15年に建設され,ビール・発泡酒に加え,清涼飲料も生産している業界初の本格的なハイブリッド工場である。工場内では,仕込,発酵,貯蔵,ろ過,缶詰ラインの順に見学を行った。
平成18年度
新日本製鐵株式会社 八幡製鉄所 見学
場所 |
福岡県北九州市戸畑区飛幡町1-1 |
見学日 |
平成18年11月30日(木) |
参加者 |
渡邊助手,他電気工学専攻博士前期課程1年生を中心に 18名 |
【概要】
新日本製鐵株式会社八幡製鉄所見学を実施した。大学院博士前期課程を対象とした講義「電力機器特論」の一環として行われ,当寄附講座が共催という形での実施となった。まず八幡製鉄所の概要説明が行われ,製鉄所における制御技術および制御を司る計算機について詳しい説明をいただいた。続いて熱延工場において,スラブと呼ばれる鋼片を高温で圧延して様々な厚みのホットコイルを作る工程を見学したが,30トンもの重量を持つ鉄塊が巨大な圧延機によって徐々に厚さが整えられる様子は非常に圧巻であるとともに,その制御技術の高さを知ることができた。その後,モータヤードへと移動し,圧延機の動力部である大容量の電動機について詳しい説明がなされた。
九州電力株式会社 玄海原子力発電所・玄海エネルギーパーク見学
場所 |
佐賀県東松浦郡玄海町今村 |
見学日 |
平成18年10月21日(土) |
参加者 |
渡邊助手,他電気工学科3年生を中心に 77名 |
【概要】
九州電力株式会社の玄海原子力発電所見学を実施し,まず併設されている玄海エネルギーパークサイエンス館において,原子力発電の仕組みならびに発電所の耐震性や放射線に関する説明を受けた。続いて原子力訓練センターにおいて,運転訓練のためのシミュレータや保修訓練のための電気および機械設備について実物模型を間近に見ながら説明を受けた。最後に,バス車内からではあったが発電所構内を見学でき,その大きさを実感することができた。
平成17年度
九州電力株式会社 八丁原発電所見学
場所 |
大分県玖珠郡九重町大字湯坪字八丁原 |
見学日 |
平成17年11月21日(月) |
参加者 |
木村客員教授,松本客員教授,他24名 |
【概要】
八丁原地熱発電所は,風光明媚な阿蘇くじゅう国立公園特別地域の一画にあり合計出力11万kWと日本最大の地熱発電所である。
主要設備である地下深部の地熱貯留層から熱水と蒸気を取り出す蒸気井,二相流体輸送管,気水分離器,タービン・発電機ならびにフラッシャーを見学した。発電所の運転や計器の監視などは約2km離れた大岳発電所から行っており,通常は無人運転が行われている。当日は,九州電力株式会社の専門技術者による地熱発電の原理や機器の特徴とともに原子力を中心とした「電源のベストミックス」の考え方と地熱発電の位置づけなどについて,詳細なご説明を頂いた。
九州電力株式会社 東九州変電所見学
場所 |
大分県臼杵市大字久木小野字峠ノ下 |
見学日 |
平成17年11月21日(月) |
参加者 |
木村客員教授,松本客員教授,他21名 |
【概要】
平成8年5月に運開した本設備は,新大分発電所,大分発電所ならびに大分火力発電所で発生した電力を九州主幹系統と連系することにより,九州管内の電力輸送の一大拠点として,大分県の供給信頼度の飛躍的な向上と九州全域の生活文化や産業の発展に大きく寄与している。今回,主要設備であるガス絶縁開閉装置,変圧器,保護装置ならびに監視制御室を見学した。とにかく規模が大きいことに皆,驚きを隠せなかった。
当日は晴天であり,引率者の懇切丁寧な説明のもと,機器の隅々まで見学できた。大電力輸送の重要性を改めて認識すると共に,信頼性確保に対する日々の多大なる努力に改めて敬意を表したい。
東田コジェネ株式会社 東田天然ガスコジェネ発電所見学
場所 |
北九州市八幡東区東田 |
見学日 |
平成17年11月17日(木) |
参加者 |
木村客員教授,松本客員教授,渡邊助手,他23名 |
【概要】
新日本製鐵八幡製鉄所内に建設されている「東田天然ガスコジェネ発電所」を見学した。発電所は55,000kWの天然ガスエンジン6基からなり,近隣の八幡東区東田・前田地区の企業や公共施設などに自営の配電線を利用して電力を供給している。また発電で生じた廃熱を利用して発生させた蒸気を製鉄所内で利用しており,ガスエンジンの効率42%に対して総合効率58%を達成しているとのことである。机上説明を受けた後,発電所建屋内部の実機や建屋外部の昇圧用変圧器および廃熱利用のボイラを見学した。
九州電力株式会社 玄海原子力発電所・玄海エネルギーパーク見学
場所 |
佐賀県東松浦郡玄海町今村 |
見学日 |
平成17年10月29日(土) |
参加者 |
木村客員教授,渡邊助手,他電気工学科3年生を中心に77名 |
【概要】
九州電力株式会社の玄海原子力発電所見学を実施し,まずバス車内からではあったが発電所構内を見学し,その大きさを実感することができた。続いて原子力訓練センターにおいて,運転訓練のためのシミュレータや保修訓練のための電気および機械設備について実物模型を間近に見ながら説明を受けた。また併設されている玄海エネルギーパークでは,原子力発電の仕組みならびに耐震性や放射線モニタリング,プルサーマル発電に関する説明を受けた。
平成16年度
九州電力株式会社 玄海原子力発電所・玄海エネルギーパーク見学
場所 |
佐賀県東松浦郡玄海町今村 |
見学日 |
平成16年10月23日(土) |
参加者 |
渡邊助手,他電気工学科3年生を中心に56名 |
【概要】
九州電力株式会社の玄海原子力発電所では現在4基が稼働しており,九州電力管内全体の約30%の電力が賄われている。当日は,まず原子力訓練センターにおいて,運転訓練のためのシミュレータや保修訓練のための電気および機械の模擬設備を見学した。続いて玄海エネルギーパークへと移り,原子力発電の仕組みならびに耐震性や放射線の安全性,プルサーマル発電に関する説明を受けた。今回の見学により,原子力発電の重要性・安全性を再認識することができた。
北九州エコタウン 見学
場所 |
北九州市若松区向陽町および響町 |
見学日 |
平成16年7月23日(金) |
参加者 |
木村客員教授,渡邊助手,他29名 |
【概要】
資源循環型社会の構築を図るため,北九州市が響灘地区において積極的に事業推進している北九州エコタウンを見学した。
まず,事業を総合的に支援する中核的施設として,また環境学習拠点として開設されているエコタウンセンターにおいて事業の全体概要の説明を受けた。その後,家電リサイクル事業およびOA機器リサイクル事業を手掛けている企業を見学した。
また,当地区では風力発電事業も行われており,工場見学に合わせて発電施設の見学も行った。
平成15年度
九州電力株式会社 玄海原子力発電所・玄海エネルギーパーク見学会
場所 |
佐賀県東松浦郡玄海町今村 |
見学日 |
平成16年1月31日(土) |
参加者 |
松本客員教授他学部3年生を中心に62名 |
【概要】
九州電力には現在二ヶ所の原子力発電所があるが,この一つである玄海原子力発電所を見学した。1975年10月に運転開始された1号機を始め現在4基が稼動している。併設されている玄海エネルギーパークでは実物大の原子炉模型をもとに,原子力発電のしくみ,放射線とその管理方法などの説明を受けた。また,運転員の訓練センターでは実物と同じシミュレータを見学した。
実際に発電所を見学することで,原子力発電に対する理解を深めることができた。
四国電力株式会社 阿南変換所見学
場所 |
徳島県阿南市福井町小谷179 |
見学日 |
平成15年11月29日(土) |
参加者 |
木村客員教授,松本客員教授他17名 |
【概要】
四国と関西にまたがる紀伊水道を直流海底ケーブルならびに架空線で接続した世界最大級の紀伊水道直流連系設備を見学した。主要設備として新しく開発されたサイリスタバルブならびに直流ガス絶縁開閉装置,直流リアクトルをはじめ,調相用変圧器,電力用コンデンサ,分路リアクトル,高調波フィルタ,交流ガス絶縁開閉装置などの説明を受けた。続けて実際の系統運用状況の説明を受け,これらの設備が西日本地区の電力融通に多大な貢献をしていることを肌で感じる取ることができた。

TMT&D株式会社赤穂 工場見学
場所 |
兵庫県赤穂市天和651 |
見学日 |
平成15年11月28日(金) |
参加者 |
木村客員教授,松本客員教授他17名 |
【概要】
電力用大容量圧器の主力生産工場であるTMT&D株式会社赤穂工場を見学した。大型機器の製造技術もさることながら高品質大容量変圧器の要となる高電圧絶縁技術,機器技術,冷却技術についても最新の技術動向を知ることができた。また研究所の見学も併せて実施し,電気のみならず機械・化学分野など幅広い研究設備の紹介を受けその技術レベルの高さを知ることができた。
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